
正月映画が寅さん、ならお盆に観る映画っていうのもあっていいかも。
この「地下鉄にのって」は雰囲気的には?お盆にぴったりではないかと思って観てみてみました。
恩師との再開がきっかけになり、戦中後、60年代へタとイムスリップして、父の真実の姿を知る。
人気のない地下鉄のホームひとり、確かにちょっと何か起こりそうな、すきま観?を感じます。地下鉄から白昼夢的に過去にもどるっていうイメージはとてもよくわかる。
父はおろか、兄弟の死、恋人の母などタイムスリップで様々な真実が交差する。
浅田次郎っぽいというかー次から次とカードをひっくり返すようにことが起きるんですが。自分としてはちょっとついていけないって感じ。刺激を強すぎてドラえもんのタイムとラベルものを観ているよう。
寸止めのストーリー展開、演出、しっとりした描写でこそいきるテーマだと思います。
この浅田節は、映画の作りかたでおぎなえる部分もあるはずなのにちょっと残念でした。
亡き人を想う、改めて知るということは、こういう確信的、タイムスリップのようなことではなく、もっとしっとりして、想いと迷いの不確実の中をさまよいながら、やがて氷解するのが本来じゃないかなー。 それに過去の純朴な姿を観ないとその人と和解できないなんて悲しすぎる。視てわかることは消えやすい、感じてわかることの方が、はるかに深いし尊い。
この作品は私の原点です。浅田次郎
気持ちとして、わかったとしても浅田の白昼夢?として胸にしまっとくようなものだったかも。
そもそも、あのときに戻って・・・というのは戦火をくぐりぬけてきた、何千、何万もの先輩の方がかなわぬ夢と、過去と一緒に懸命にがんばってきたわけですから、こんな稚拙なストーリーの中だけで表現させてはいけないと思うのです。
最近の浅田は、ちょっと????です。
さらに、浅田には、しばし物語の中でとことん不憫な人が登場しますが、今回も、主人公の恋人役がそれにあたり、自分としては展開に違和感をもってしまった。 岡本綾の不憫さに涙・・・・(実はファンです・・・)