2008年3月20日木曜日

香らない不思議


マックの新しいプレミアムローストコーヒーを前に首をかしげる・・・だってなぜか、見事に香らない・・・苦味にもちょっと違和感がある。容器をスタバ、エクステリアカラーを意識しているのもちょっと悲しい。 100円だからしょうがないーではなく100円でプレミアムと名乗るのが間違っている。

コーヒーは結構色々と凝った時期もあったが、今ではあまりこだわりはない。もちろんおいしいことにこしたことはないけれど、インスタントでも街の自販機でも、その気分や状況によっては充分に楽しめる。また体調や気分が敏感に味覚に反映する世界でもあると思う。こういうミズモノ的なコーヒーの側面を悟ってからは、コダワリはどんどん萎んじゃった。

拘りを捨てると、人は自由になれるのかー今までよりある意味コーヒーを楽しめるようになったような気がする。

でも、ホンモノ、うまいふりをするのはやっぱり敬遠する。このマックのように・・・

この手のコーヒーでまともなのは、競合のロッテリアだ。ブルータスのコーヒー特集でスタバよりよい評価を得て、試してみたら地味ではあるけど、そこそこおいしい。でも名前はプレミアムでもスペシャルでもない、ただのレギュラーコーヒー(いれたて)、これでいいのだ。 

2008年3月16日日曜日

キャンベラは快晴・・・

バイクで山の麓まで行き、そこからは歩けるだけ歩いて、野宿ということを仲間3人で繰り返していた時期がある。
タープの設営、夜の食事までが共同作業で、後に各々の楽しみにうつる。楽器を奏でたり、酒を飲んだり、本を読んだり、星を眺めたりと・・・ 各々自由気ままな夜を過ごす。
ある晩、友人が小さな手作りのモールス通信の無線機で交信を始めた。ろうそくのランタンのか細い灯りの中、無言で手を小刻みに動かしてツートツート・・・と交信する友人。ノイズ交じりに聴こえてくる断続する電子音、嵐の夜に気象通報をラジオで聴くような独特な雰囲気に包まれる。友人は国内を手始めに、その手の平に乗るような小さな機械で、なんと海外とも交信を続けた。
灯りのロウソクを使い果たすと、その晩のお楽しみはおしまい・・・寝袋にもぐりこみながら・・・「キャンベラは快晴らしいー」と友人がつぶやく。
八ヶ岳の山奥へ俗世間から遮断されているのが本望なのに、なぜかその一言は心の残った。
この友人とは、その後、音信不通になってしまったが、この冬に無線を再開した自分は、いつの日かこの友人と無線での再会をほのかに期待している。できれば同じように小さな自作のモールス通信の無線機で。

写真はラジオ・タンザニアを受信中の無線機。眠れない夜はトロピカルバンドと呼ばれる短波放送帯を何気なく聴く。
ラジオによるとタンザニアも今日は快晴だそうだ。

2008年3月14日金曜日

ちいさなプリズムの話し

オペラシティへの帰り道。
光の周りがいいので撮っていたら、七色のハレーションが起きた。
かつて、光学性能の悪いデジカメを使っている時分は、多発して、逆に面白がって積極的に撮っていたっけ。
小学生の頃、ポケットには小さなプリズムを忍ばせていて、いつでもどこでも太陽があると七色の光を映し出していた。
原理よりも現象が自分にとって何より楽しかった。慣れてくると自由自在に光を操れるようになった。
光を何より意識したきっかけ・・・それが小さなプリズムだった。

今デジカメで、こうした七色のハレーションをうつすことは、光を意識して、光を操って、写真に写す、そんな癖は、全てあのプリズムから始まっている。