2009年11月7日土曜日

1Q84の感覚


1Q84をお読みなった方はお分かりのように、高速道路の非常避難通路は物語の展開に大きな意味を持っている。
普段決して通ることのないこうした場所を抜けることによって、異なる世界を感じたり感覚のズレを認めるということは、自分としてはとてもよく理解できる。


実は私はこうした通路を通った経験がある。しかもバイクでー
時効として告白するが、高速道路の無賃通過:キセルである。
当時の某PAでは、来場者がPAの外へ出れる従業員用の階段をともなった通路があった。
自分の乗っていた重量が軽く荒地を走るためのバイクで慎重に進めば高速を降りてしまうことができたのだ。獣道のようなところをしょっしゅう走りこんでいたから、慎重に走ればそのキセルは簡単だった。

本来は通ることのない通路を、しかも料金未払いという罪をしょって一般道に出た自分は、そこからの一定期間がなんともいえない感覚のズレ、まさに異なる世界に踏み込んだ感にさいなまれた。
それは呵責ということより、正直に言うと血が逆流するような背徳からくる一種の悦楽ともいえる感覚だったような記憶がある。

今となっては、コンプライアンスに反して悦楽を得ようという気持ちはないが、あれは今考えても不思議な感覚だった。

0 件のコメント: